ポートフォリオ 描いているときの私は、指から色が出ているような感覚で描いている。自分の筆圧が紙に直に伝わり、同時に手指へ返ってくるような原始的な感覚も好き。水も油もいらない。筆圧だけで、濃くも薄くも自由自在。ただ、色鉛筆は芯先の太さでしか描けないから描き上がるまで時間が掛かかる。ファーストインプレッションが時間で風化しないことが課題だ。長く日本画を続けて良かったことは、ファーストインプレッションを持続させる術を身に着けたこと。画風の静けさは、日本画で学んだ自然に対する独特の感性から、水彩のようだと言われる私の色彩は、独自の感覚によるレイヤードと筆圧から生まれる。油画に負けない色彩と存在感に加え、色鉛筆だからこその表現を目指し色鉛筆画が美術作品として認められることを目標に制作している。 かいせ由子 「儚い温もり」2025習作色鉛筆画|A4色鉛筆は、白の表現が難しさの一つ。明度の高い色彩と白でどこまで描けるのか?という試作的習作。 「霧と水面」2025作色鉛筆画|P10号犀川の久米路橋付近の流れ。深さを感じさせる静かな川面から霧が湧き立つ風景をデフォルメ。3×6㎜の方眼を一マスずつ塗りつぶして静かな川面を表現した。 「circle」2025習作色鉛筆画|A4(額装サイズ F6 / F4)色は光。光は集まって形作り霧散する。そういう私的感覚の表現のための習作。全て大小の円(circle)で埋め尽くしながら円が重なった三日月を描く。 「囁き」2023.ART BREND(Firenze)出品色鉛筆画|S10憧れ・妄想・嫉妬。仮面を被った個人的な感情。まるで世間の噂か道理かのようにこっそり囁き合う女性たちをイメージした作品。 「月が君を見ている」2022.日本の美術(Japan)出品 審査員特別賞受賞色鉛筆画|F10ここは北信の中山間部。秋から冬には毎夜深い霧が流れる。月に照らされてその流れが見える。そんな夜に見上げる月は、まるで自分だけに語りかけてくるように思える。 「A moonbow」2021.国際平和美術展出品 (Japan)→(N.Y)→Mallギャラリー(London)巡回2022-2023 英国王立美術家協会名誉会員賜席平和を考え、想像する時、世界中の人々の心の安寧に成り立つものであってほしいと願う。暗闇で悩み、恐れ、出口が見えず嘆く時も、個々が生まれ持った光を決して束なさないことを祈って。 F15「蜜柑」制作中 F15「戯れ」制作中 P10「水面」制作中 1967年 愛知県生まれ愛知県立一宮起工科高等学校 デザイン科卒名古屋造形芸術短期大学 日本画家卒日本画による個展・グループ展を中心に活動江南市美術展 市長賞受賞 他2007年 起業を機に折筆2013年 名古屋市にて基礎絵画教室開講グラディエンスアートを考案、動物肖像画の制作を機に色鉛筆で再度筆を執る・河合塾学園トライデントデザイン専門学校非常勤講師兼務2020年 長野市へ移住、アトリエを構える・2021国際平和美術展(東京・N.Y巡回)出品 英国王立美術家協会(R.B.A) 名誉会員受賞・2022日本の美術~全国選抜作家展~(東京)出品 審査員特別賞受賞・2022ロンドンMALLギャラリーR.B.A受賞作品展 出品・2023フィレンツェ美術展 出品・2024 / 2025 個展用の作品を制作中