色鉛筆を基軸とした独自の技法を探求しながら、
ファインアート / Fine Artの地平を切り開く道半ばです。
作品の根幹にあるのは、感情や記憶、文学的インスピレーションから生まれる心象絵画の探求。
風景やモチーフは単なる写実ではなく、私の内面を通して濾過された象徴的な情景として具現化され、
印象派の理念に似た並置混色の技法によって成り立つ色彩表現は、
数千の点、円、方眼を重ね合わせることで色が混ざり合って
キャンバス上では実現し得ない、深く鮮やかな光のスペクトルを生み出します。
この繊細な作業と、用紙の凹凸のマリアージュで生まれるマチエールの追求は、
私の表現において最も重要な要素の一つとなっています。
ぜひご高覧くださり、ご感想など頂ければ幸いです。
描いているとき、指から色が出ているような感覚になる。
自分の筆圧が紙に伝わり、同時に跳ね返ってくるような原始的な感覚。
水も油もいらない、筆圧だけで濃くも薄くも自由自在。
それらが、日本画から色鉛筆画へ転向させた純粋な理由だ。
ただ、芯の太さでしか描けない・太さを選べないジレンマから生まれる所要時間は
ファーストインプレッションを風化させないことが課題。
日本画制作で学んだファーストインプレッションを持続させる術は、ここで活かされている。
画風の静けさは、自然風景に呼応する日本画特有の感性。
水彩のようと評される色彩やタッチは、色彩のレイヤードと筆圧調整による試行錯誤。
油画に負けない色彩と存在感に加え、
色鉛筆こその表現を目指し
色鉛筆画がファインアートの確固たる地位を得られることを願って。
かいせ由子
「埋もれて眠る」2025習作
色鉛筆画|A4(未完)
色鉛筆は白の表現が難しさの一つ。明度の高い色彩と白でどこまで描けるのか?という試作的習作。
「水面」2025作
色鉛筆画|P10号 ¥200,000(税込・絵画のみ・額装別途)
犀川の久米路橋付近の流れ。深さを感じさせる静かな川面から霧が湧き立つ風景をデフォルメ。
3×6㎜の方眼を、一マスずつ違った色で塗りつぶす並置混色で静かな川面を表現した。
「circle」2025習作
色鉛筆画|A4(額装サイズ F6 or F4)¥80,000(税込・絵画のみ・額装別途)
色は光。光は集まって形作り霧散する。そういう私的感覚の表現のための習作。
全て大小の円(circle)で埋め尽くしながら円が重なった三日月を描く。
「囁き」
2023.ART BREND(Firenze)出品
色鉛筆画|S10 SOLD OUT
憧れ・妄想・嫉妬。仮面を被った個人的な感情。まるで世間の噂か道理かのようにこっそり囁き合う女性たちをイメージした作品。
「月が君を見ている」
2022.日本の美術(Japan)出品 審査員特別賞受賞
色鉛筆画|F10 ¥250,000(税込・額付・アクリル無し)
ここは北信の中山間部。秋から冬には毎夜深い霧が流れる。月に照らされてその流れが見える。そんな夜に見上げる月は、まるで自分だけに語りかけてくるように思える。
流れる霧の背景は3×3㎜の方眼の並置混色。今後の方向性を示唆した作品となった。
「A moonbow」
2021.国際平和美術展出品 (Japan)→(N.Y)→Mallギャラリー(London)巡回
2022-2023 英国王立美術家協会名誉会員賜席
紙のマチエールと点描による並置混色で夜の透明感を意識した作品。
色鉛筆画|F10 非売品
平和を考え、想像する時、世界中の人々の心の安寧に成り立つものであってほしいと願う。暗闇で悩み、恐れ、出口が見えず嘆く時も、個々が生まれ持った光を決して束なさないことを祈って。
1967年 愛知県生まれ
愛知県立一宮起工科高等学校 デザイン科卒
名古屋造形芸術短期大学 日本画家卒
日本画による個展・グループ展を中心に活動
江南市美術展 市長賞受賞 他
2000年 起業を機に折筆
2013年 名古屋市にて基礎絵画教室開講
グラディエンスアートを考案、動物肖像画の制作を機に色鉛筆で再度筆を執る
・河合塾学園トライデントデザイン専門学校非常勤講師兼務
2020年 長野市へ移住、アトリエを構える
・2021国際平和美術展(東京・N.Y巡回)出品
英国王立美術家協会(R.B.A) 名誉会員受賞
・2022日本の美術~全国選抜作家展~(東京)出品
審査員特別賞受賞
・2022ロンドンMALLギャラリーR.B.A受賞作品展 出品
・2023フィレンツェ美術展 出品
・2024 / 2025 個展用の作品を制作中